ビジネス敬語の基本・間違いやすい表現50選!正しい使い方とマナーを徹底解説
ビジネスシーンにおいて、正しい敬語を使いこなすことは、単なるマナー以上の価値を持ちます。言葉遣い一つで「仕事ができる人」「信頼できるパートナー」という評価を得られる一方で、無意識の誤用が評価を下げてしまうリスクも孕んでいます。
特に、謙遜の際によく使われる「とんでもございません」という言葉。かつては誤用とされていましたが、現代のビジネスシーンではどのように扱うのが正解なのでしょうか。
本記事では、日常的に間違いやすい敬語の具体例50選を中心に、相手に好印象を与える正しい言葉選びと、収益を生むプロフェッショナルなコミュニケーション術を詳しく解説します。
敬語の基本構造:3つの種類を再確認
まずは、敬語の土台となる3つの分類を整理しましょう。これらが整理できていると、応用的な表現もスムーズに身に付きます。
尊敬語:相手(上司、顧客)の動作や状態を高めて敬意を表す(例:いらっしゃる、おっしゃる)
謙譲語:自分や身内の動作を低めることで、相対的に相手を敬う(例:伺う、申し上げる)
丁寧語:言葉を丁寧にすることで聞き手に敬意を表す(例:〜です、〜ます、ございます)
「とんでもございません」の正しい扱い方
多くの人が迷う「とんでもございません」という表現。結論から言うと、現代のビジネスシーンでは、相手の褒め言葉を謙虚に否定する際の表現として、自信を持って使って良い言葉です。
本来「とんでもない」で一つの形容詞であるため、語尾だけを変えるのは文法的に不自然だとする説もありましたが、現在は文化庁の指針でも、丁寧な応答として定着していることが認められています。
相手から「素晴らしい成果ですね」と褒められた際に、「とんでもございません。皆様のお力添えがあってこそです」と返すのは、非常にスマートで好印象な対応と言えます。
【完全保存版】間違いやすいビジネス敬語50選
日常業務、メール、電話応対で頻出する「間違いやすい敬語」をカテゴリー別にまとめました。
1. 受付・訪問・対面でのNG敬語
×:どちら様でしょうか? → ○:お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
×:ご苦労様です → ○:お疲れ様です(目上には「お疲れ様です」が基本)
×:了解しました → ○:承知いたしました / かしこまりました
×:お座りください → ○:お掛けください
×:お名前を頂戴できますか? → ○:お名前を伺えますか?
×:どうしますか? → ○:いかがなさいますか?
×:さっき言った通り → ○:先ほど申し上げました通り
×:ご一緒します → ○:お供させていただきます
×:わかった? → ○:ご理解いただけましたでしょうか?
×:見てください → ○:ご覧ください
2. 電話応対・伝言のNG敬語
×:もしもし → ○:お世話になっております
×:誰に用ですか? → ○:誰をお呼び出しでしょうか?
×:休みをいただいております → ○:休みを取っております / 外出しております
×:お声が小さいです → ○:お電話が少し遠いようです
×:後でかけ直します → ○:のちほど改めてお電話差し上げます
×:伝えておきます → ○:申し伝えます
×:お名前をもう一度いいですか? → ○:恐れ入りますが、今一度お名前を伺えますでしょうか?
×:ちょっと待ってください → ○:少々お待ちいただけますでしょうか?
×:担当はいません → ○:担当の〇〇は席を外しております
×:何時ならいますか? → ○:何時ごろにお戻りでしょうか?
3. 会議・報告・メールのNG敬語
×:なるほどですね → ○:おっしゃる通りです / 左様でございますか
×:参考になりました → ○:大変勉強になりました
×:ご教授ください → ○:ご教示ください(専門知識なら「ご教授」)
×:私には役不足です → ○:力不足でございます(「役不足」は役職が自分に不相応に低い意味)
×:資料を拝見されましたか? → ○:資料はご覧いただけましたでしょうか?
×:ご持参ください → ○:お持ちください(「持参」は謙譲語)
×:お申し出ください → ○:お申し付けください
×:検討してみます → ○:検討させていただきます
×:伺わせていただきます → ○:伺います / 参ります(二重敬語を避ける)
×:おっしゃられた通り → ○:おっしゃった通り
4. 謝罪・感謝・謙遜のNG敬語
×:すみませんでした → ○:申し訳ございませんでした
×:すいません → ○:恐れ入ります
×:助かります → ○:ありがとうございます / 非常に助かりました
×:感心しました → ○:感銘を受けました(「感心」は目下が使うと失礼)
×:頑張ります → ○:尽力いたします / 精進いたします
×:そんなことないです → ○:とんでもございません
×:できません → ○:いたしかねます
×:わかりましたでしょうか? → ○:ご不明な点はございませんか?
×:お見えになられました → ○:お見えになりました
×:とんでもございませんです → ○:とんでもございません
5. 慣用句・社内用語のNG敬語
×:役職+様(課長様など) → ○:〇〇課長 / 課長の〇〇様
×:弊社様 → ○:貴社 / 御社(「弊社」は自社を低く言う言葉)
×:お求めやすい価格 → ○:お求めになりやすい価格
×:お求めになられる → ○:お求めになる
×:拝読させていただく → ○:拝読する
×:させていただいております → ○:しております
×:二の舞を踏む → ○:二の舞を演じる / 二の足を踏む(混合注意)
×:敷居が高い → ○:ハードルが高い / 恐れ多い(本来は不義理があって行きにくい意味)
×:足元をすくわれる → ○:足をすくわれる
×:汚名挽回 → ○:汚名返上 / 名誉挽回
相手を動かす「プラスアルファ」の言葉遣い
正しい敬語に加えて、相手の感情に寄り添う「クッション言葉」を活用することで、コミュニケーションの質はさらに向上します。
「恐れ入りますが」:何かを依頼する際
「お差し支えなければ」:プライベートなことや意見を聞く際
「せっかくですが」:お誘いを断る際
「あいにくではございますが」:期待に沿えない返答をする際
これらの言葉を添えるだけで、断りや依頼の角が立ちにくくなり、相手からの信頼度も飛躍的に高まります。
信頼を勝ち取るビジネス敬語の心得
敬語は形だけ整えれば良いというものではありません。最も大切なのは、相手に対する「敬意」が伝わるかどうかです。
たとえ多少の言い間違いがあったとしても、誠実な態度と明るいトーンで接していれば、大きなトラブルに発展することはありません。むしろ、完璧すぎる敬語よりも、状況に応じた柔軟な言葉選びの方が、現代のビジネスシーンでは好まれることも多いのです。
「とんでもございません」という謙虚な心を持ちつつ、自分の意思をはっきりと、かつ丁寧に伝える力。それこそが、高単価な案件を勝ち取り、良好なビジネスパートナーシップを築くための最強の武器となります。
本記事で紹介した50の表現を、ぜひ今日からの業務に役立ててみてください。
ビジネスでの「とんでもございません」は間違い?正しい使い方と好印象を与える言い換え術