長期間の安置でも安心。エンバーミングのメリット・デメリットと葬儀までを綺麗に過ごす方法
大切な方が亡くなった後、火葬場の混雑などで葬儀まで1週間ほど待機しなければならないケースが増えています。その際、遺族の大きな悩みとなるのが「お体の状態の変化」です。
長期間の安置でも、生前のような穏やかな姿で寄り添いたい。そんな願いを叶える選択肢として注目されているのが「エンバーミング(遺体衛生保全)」です。この記事では、エンバーミングの仕組みやメリット・デメリット、そして葬儀までの時間を美しく、穏やかに過ごすための秘訣を詳しく解説します。
エンバーミングとは?ドライアイス安置との違い
エンバーミングは、日本語で「遺体衛生保全」と訳されます。専門資格を持つ「エンバーマー」が、遺体に防腐・殺菌・修復処置を施す技術のことです。
一般的なドライアイスによる安置では、お体を冷やして腐敗を遅らせますが、エンバーミングは体内の血液を保存液に入れ替えることで、細胞レベルで保全を行います。これにより、ドライアイスを使わずに、常温でも長期間(10日〜2週間程度)お体を清潔かつ綺麗な状態に保つことが可能になります。
エンバーミングを選ぶメリット
葬儀までの待機期間が長い場合、エンバーミングには以下のような多くのメリットがあります。
1. 生前に近いお姿への修復(メイク・復元)
闘病生活で痩せてしまったお顔をふっくらとさせたり、事故などで傷ついた箇所を修復したりすることが可能です。まるでお休みになられているかのような自然な表情を取り戻せるため、遺族の心の癒やし(グリーフケア)に大きく寄与します。
2. 衛生面の安全性
殺菌・消毒を徹底するため、感染症のリスクを抑えることができます。小さなお子様がいる場合や、多くの人がお別れに訪れる場合でも、安心して故人に触れたり、顔を近づけたりして最後のお別れができます。
3. ドライアイスによる「凍結」を防ぐ
長期間ドライアイスを使用すると、お体がカチカチに凍ってしまったり、皮膚が乾燥して変色したりすることがあります。エンバーミングは常温保全が可能なため、お肌に触れた際も冷たすぎず、柔らかさを保つことができます。
4. 時間のゆとり
腐敗の進行を心配する必要がなくなるため、遠方の親族の到着を待ったり、納得のいく葬儀プランをじっくり練ったりと、時間に縛られないお別れが可能になります。
知っておきたいデメリットと注意点
非常に優れた技術ですが、検討する際には以下の点も理解しておく必要があります。
1. 費用の負担
エンバーミングの費用相場は、一般的に15万円〜25万円程度です。
ドライアイス代が不要になるとはいえ、短期間の安置であればエンバーミングの方が高額になるケースがほとんどです。1週間以上の待機になるかどうかを一つの目安にすると良いでしょう。
2. 処置に時間がかかる
専用の施設に搬送して処置を行うため、半日〜1日程度の時間が必要です。その間はお体に付き添うことができないため、スケジュール調整が不可欠です。
3. 遺体にメスを入れる
防腐液の注入などのために、数センチ程度の切開を伴います(処置後は衣服で隠れる場所です)。「体に傷をつけたくない」という思想や感情がある場合は、家族間で十分に話し合うことが大切です。
葬儀までを綺麗に過ごすための具体的な方法
エンバーミングを行う・行わないに関わらず、1週間という時間を綺麗に、安らかに過ごすためのポイントを紹介します。
枕飾りと空間作り
安置する部屋は、直射日光を避け、エアコンを低めの温度(18℃以下が目安)に設定します。お花を飾り、故人が好きだった音楽を流すなど、お別れの空間を整えることで、遺族の気持ちも落ち着きます。
湯灌(ゆかん)の実施
エンバーミングまでは検討していなくても、「湯灌」を行うことでお体を清め、化粧(死装束の着せ替え)を施すことができます。これだけでも、見た目の印象は大きく変わります。
毎日のお声がけ
1週間の待機期間は、故人とゆっくり対話できる「最後の共同生活」です。毎日の食事を供え、生前の感謝を伝えることで、葬儀当日の心の準備を整えていくことができます。
まとめ:後悔しないお別れのために
葬儀まで1週間という長い待機時間は、決してマイナスなことばかりではありません。エンバーミングなどの技術を活用すれば、お体の変化を気にすることなく、最高のお姿で送り出す準備ができます。
1週間以上の待機が決まった。
生前のような穏やかな表情で会わせてあげたい。
感染症対策など、衛生面が心配。
このような場合は、早めに葬儀社へエンバーミングの相談をしてみることをおすすめします。予算と希望を照らし合わせ、納得のいくお別れの形を見つけましょう。
亡くなってから葬儀まで1週間かかる理由は?待機期間の過ごし方と準備の進め方