高評価をもらう課題研究の「問い」の立て方:平凡なネタを面白い研究に変える思考法
課題研究で最も難しいのは、実験そのものよりも「何を明らかにするか」という問い(リサーチクエスチョン)の設定です。同じ「パンのカビ」をテーマにしても、問いの立て方次第で、単なる観察記録で終わるか、学術的に価値のある研究になるかが決まります。
この記事では、平凡なネタを「おっ、これは面白い!」と思わせる高評価な研究へと昇華させるための思考法を詳しく解説します。
1. 「調べ学習」と「課題研究」の決定的な違い
多くの高校生が陥る罠が、単なる「調べ学習」で満足してしまうことです。
調べ学習:すでに答えが分かっていることを、本やネットでまとめて発表する。(例:酸性雨の原因について調べる)
課題研究:まだ答えが出ていないことや、自分なりの仮説を検証して新しい知見を得る。(例:校庭の場所によって雨のpH値に差があるか検証する)
高評価を得るためには、後者の「未知の問い」に挑む姿勢が必要です。
2. 問いを深化させる「変数のコントロール」思考
平凡なネタを面白くするには、**「変数(変化させる要素)」**を意識することが不可欠です。
例えば「洗剤の洗浄力」というありふれたテーマを、以下のように深掘りしてみましょう。
ステップ1(平凡):どの洗剤が一番汚れが落ちるか?
ステップ2(少し良い):汚れの種類(油、泥、タンパク質)によって、最適な洗剤の成分はどう違うか?
ステップ3(高評価):洗剤の濃度と洗浄力の関係には「飽和点」があるのではないか?(コストパフォーマンスの最適解を探る)
このように、**「もし条件を変えたらどうなるか?」**という視点を持つだけで、問いの質は格段に上がります。
3. 面白い問いを生むための「3つのアプローチ」
ネタが平凡でも、以下の切り口を加えるだけで独自性が生まれます。
① 「逆」を考える(逆説的アプローチ)
一般的に「良い」とされているものが、特定の条件下では「悪」になることはないか?
例:植物の成長を促す肥料も、濃度が濃すぎると逆に枯れるのはなぜか?その限界値はどこか?
② 「身近な矛盾」を突く(違和感アプローチ)
「なぜあのアイスは溶けにくいのか?」「なぜこの文房具は使いにくいのか?」といった、生活の中の不都合を問いにします。
例:消しゴムの「消しやすさ」と「カスのまとまりやすさ」はトレードオフの関係にあるのか?
③ 「組み合わせ」で測る(クロスオーバーアプローチ)
異なる2つの事象を組み合わせて、その相関関係を調べます。
例:気温(気象)と、学校の売店で売れるパンの種類(行動経済)に関連性はあるか?
4. 先生や審査員が注目する「問い」の4条件
研究計画書を書く際、以下の4つのポイント(FINERの原則を高校生向けにアレンジしたもの)をチェックしてみてください。
| 条件 | 内容 |
| 具体性 | 範囲が狭く、何を測るのか明確であること。 |
| 新規性 | ネットのコピペではなく、自分なりの視点があること。 |
| 実現可能性 | 高校の設備や予算、期間内で完結すること。 |
| 倫理的配慮 | 生き物を傷つけたり、個人情報を漏らしたりしないこと。 |
5. 問いをブラッシュアップする手順
具体的な問いが決まらない時は、次のステップで言語化してみましょう。
キーワードを出す:興味があることを単語で書く(例:マスク、眼鏡、曇り)。
疑問文にする:なぜマスクをすると眼鏡が曇るのか?
仮説を立てる:鼻の隙間から漏れる呼気の温度と外気温の差が原因ではないか?
問いを絞り込む:眼鏡の曇りを最も防ぐ「鼻パッドの形状」と「素材」の組み合わせは何か?
このように、大きな疑問を小さく鋭く削っていく作業が、研究の成功率を高めます。
まとめ:良い問いは「解きたくなる」もの
優れた課題研究とは、難しい用語を並べたものではありません。「言われてみれば気になる!」「その結果はどうなったの?」と、聞いた人がワクワクするような問いが立っているものです。
まずは、あなたの身の回りにある「当たり前」を一度疑ってみることから始めてください。
次に進むステップとして、考えた「問い」を140文字程度の短い文章にまとめ、学校の先生や友人に「この結果、気になる?」と率直に聞いてみることをおすすめします。
課題研究のテーマが決まらない高校生へ!面白い・評価されるネタの見つけ方と解決策