これって妊娠初期症状?それとも薬の副作用?ルティナスやワンクリノンで起こる体の変化まとめ


不妊治療の胚移植後、判定日を待つ間に多くの女性を悩ませるのが「体の変化」です。足の付け根のチクチク感、胸の張り、眠気、そして「おりものの変化」。これらが待ちに待った妊娠のサインなのか、それとも使用している薬剤によるものなのか、判断に迷うことは少なくありません。

特に、ルティナスやワンクリノンといった黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤を使用している場合、体には妊娠初期と非常によく似た兆候が現れます。この記事では、薬の影響と妊娠の兆候を見分けるための知識を整理して解説します。


なぜ薬の副作用と妊娠初期症状は似ているのか?

結論から言うと、「妊娠初期症状」と「黄体ホルモン剤の副作用」は、原因となるホルモンが同じであるため、体感として区別することは極めて困難です。

通常、妊娠が成立すると体内でプロゲステロン(黄体ホルモン)が急増します。このホルモンが体に作用することで、体温が上がったり、乳腺が発達したりします。一方で、移植周期に使用するルティナス膣錠やワンクリノン、プロゲデポー(注射)などは、人工的にこのプロゲステロンを補うものです。

つまり、体の中は「妊娠している時と同じホルモン状態」に保たれているため、妊娠の有無にかかわらず特有の症状が現れるのです。


よくある症状:薬によるものか、妊娠によるものか

具体的に、多くの人が経験する症状とその原因を比較してみましょう。

1. 胸の張り・痛み

  • 薬の影響: プロゲステロンには乳腺を発達させる働きがあるため、薬を使い始めて数日で胸が張ったり、触れると痛みを感じたりすることがあります。

  • 妊娠の兆候: 妊娠が成立し、自前のホルモン分泌が増えることでさらに張りが強くなることがありますが、判定日前の段階では薬の影響が支配的です。

2. 水っぽいおりもの・白いカス

  • 薬の影響(ルティナスなど): 錠剤が溶け出したものや、基剤(薬を形作る成分)が体外へ排出されるため、白っぽいカスや水っぽいおりものが増えるのは正常な反応です。

  • 薬の影響(ワンクリノン): 膣内にカスが溜まりやすく、茶色や黒っぽい塊となって出てくることもありますが、これも薬の特性によるものです。

3. 下腹部の違和感・足の付け根の痛み

  • 薬の影響: プロゲステロンの作用により腸の動きが緩慢になり、便秘や膨満感(ガスが溜まる感じ)が出やすくなります。これが「チクチクする」「引っ張られる」といった感覚として捉えられることがあります。

  • 妊娠の兆候: 受精卵が着床し、子宮が充血したり大きくなろうとしたりする過程で起こる違和感ですが、薬の影響と見分けるのは非常に難しいです。

4. 異常な眠気・だるさ

  • 薬の影響: 黄体ホルモンには催眠作用や体温を高く保つ働きがあります。高温期特有のだるさや、昼間の強い眠気は、ホルモン補充を行っている際に非常によく見られる副作用です。


症状の「有無」で一喜一憂しなくていい理由

ここで大切なのは、「症状が強く出ているから陽性」でも「全く症状がないから陰性」でもないということです。

  • 症状がないケース: 体の代謝がスムーズで、ホルモン剤の副作用をあまり感じないタイプの方もいます。無症状のまま判定日を迎え、血中HCG数値がしっかり出ているケースは非常に多いです。

  • 症状があるケース: 薬に対して敏感な方は、移植直後から強い初期症状のようなものを感じますが、これはあくまで「薬がしっかり効いている証拠」であり、着床の成否を確定させるものではありません。

「昨日まであった胸の張りが急に消えた」と不安になる方もいますが、ホルモンの吸収速度やその日の体調によって感じ方は変わります。一時の症状の変化に振り回されないことが、メンタルを安定させるコツです。


注意すべき症状:早めに医師に相談すること

副作用や初期症状の範囲を超えて、注意が必要なケースもあります。以下の症状がある場合は、我慢せずにクリニックへ連絡しましょう。

  • 激しい腹痛: 左右どちらかが捻じれるように痛む、または歩けないほどの痛み。

  • 鮮血の大量出血: おりものに混ざる程度の茶おりではなく、月経のような鮮やかな血が止まらない場合。

  • ひどい痒みや腫れ: 膣錠の使用により、膣周辺に強い痒みや痛み、湿疹が出た場合は、薬の基剤が合っていない(アレルギー)可能性があります。


まとめ:判定日まで自分を労わる時間を

ルティナスやワンクリノンを毎日決まった時間に使い続けるのは、精神的にも肉体的にも負担が大きい作業です。今感じている体の違和感は、あなたが新しい命を迎えるために、一生懸命ホルモンを補い、環境を整えている証です。

症状を「妊娠のサイン探し」として分析するのではなく、**「薬が私の体をサポートしてくれているんだな」**とポジティブに捉え直してみませんか。

判定日までの数日間、温かい飲み物を飲みながら、ゆったりとした気持ちで過ごせることを願っています。


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